用語集

ABC部数(Audit Bureau of Circulation)
日本ABC協会が、新聞、雑誌の発行部数を第三者の立場で認証した部数のこと。一般的に公式部数として扱われている。

PRワイヤー(PR Wire)

ニュースリリースなどを発信企業に代わって幅広く配信するサービス。欧米では記者会見やレクチャーなど手のかかることはせずに、発表=ワイヤーでの配信というのが一般的。世界各国に一斉に配信できるのがメリットであるが、掲載確認などは出来ないようだ。

SEO(Search Engine Optimization)

検索エンジンの最適化。要はYahooやGoogleなどの検索エンジンに如何にヒットさせ、自社のWebサイトのアクセス数を上げるための手法。SEO対策には、Web制作時にキーワードを埋め込むことや、外部とのリンクを貼ってもらうことなどがある。これらは継続的にキーワードを見直すなど対策を取っていかなければ、徐々に効果が無くなっていくので要注意。Web開設当初は上位に掲載されても、何もしなければ段々と順位が下がっていく。SEO対策は、多少勉強すればある程度はできるだろうが、外部の専門家に依頼した方が無難と言える。

SNS(Social Networking Service/Site)

ソーシャルネットワーキングサービスの略。別名、ソーシャルネットワーキングサイト。友人同士または友人の友人を紹介するなど、人と人とのつながり=コミュニケーションを促進するコミュニティ型のWebサイトのこと。居住地のほか趣味・嗜好を含む自己紹介を公開することで人間関係を構築する場とされている。多くのSNSはサイト内広告や参加者の商品紹介による売り上げの一部を徴収する収益モデルにより、参加・サービス利用が無料。ただし、代表的な「MIXI」などは「会員制(クローズドSNS)」であり、既存の参加者からの招待がなければ参加できなど。近年では誰でも自由に登録できる「YouTube」や「MySpace」に代表されるような「公開型(オープン)SNS」も増えてきたが、日本ではまだクローズドが主流。

TOB(Take Over Bid)

株式の公開買い付け。事前に株式購入の意思を公開し、市場から株式を買い入れること。TOBには株式を買う側、買われる側の双方が合意した上で行われる場合と、相手側の同意を得ないでTOBを行う敵対的TOBとがある。後者では、ライブドアによるニッポン放送買収や、楽天によるTBS買収などが有名。また近年企業の持ち合い解消などを背景に、スティールパートナーズなどの外資系ファンドが敵対的TOBを仕掛けてくるケースが増えてきている。敵対的TOBは株式を公開している以上は、十分にありえるケースであり、日頃から対策を講じる必要がある。日本は永年株式の持ち合いなどを行ってきており、本格的な株式会社となったのはここ数年であろうと言える。本来の上場の意味、必要性をを再度見つめ直す必要がありそうだ。

アカウンタビリティー(accountability)

企業や公的機関などの説明責任。情報開示責任のこと。

アドバトリアル(advertorial)

パブリシティと広告を足して2で割った様なもの。記事対広告や編集タイアップとも言う。要は見た目は記者が書く通常の記事ではあるが、出稿主が編集協力費などの名目で媒体に費用を支払う為、好意的に書いてくれるもの。雑誌などに多い。媒体によっては、これらと広告が大半を占めており、リリースなどを送っても書くスペースがないものもある。無駄な活動を避けるためには、よく媒体研究(リリースでの掲載の可能性)をしておく必要がある。

アナリスト(Analyst)

証券アナリストが一般的だが、企業の経営、将来性や業界動向などの調査を行う専門家。投資家に情報を提供するセルサイドアナリストと資金運用側のバイサイドアナリストに分かれる。他に、IT業界を中心に活動するITアナリストもいる。

アニュアル・レポート(Annual Report)

IR(株主、投資家向け広報)での重要なコミュニケーションツール。以前は財務指標等の数値的要素が強いものであったが、ITの発達により決算数値等は容易に入手できるようになったこともあり、現在は決算数値などよりもビジョンや方向性などの定性的な性格の情報にシフトしている。また「顔の見える経営が重要」との考えから、社長をはじめとする経営陣を載せていたが、最近ではそれに加え10年先、20年先の会社を担う若手の状況を載せて欲しいとの投資家の意見も出てきている。社長には取材等でいつでも会えることが背景にある。

インナー・コミュニケーション(Inner Communication)

社内広報のこと。これまでは「社内広報=社内報の発行」というのが一般的であった。最近では「社員のモチベーション維持向上」「一体感の醸成」「中期経営計画などの統一認識や目標達成」などのために、社内広報に対する必要性がクローズアップされてきている。社員向けにメッセージを訴求する為に、社内報やイントラネットに限らず、パブリシティや広告など第三者である媒体を活用するのも効果的である。

インフルエンサー(Influencer)

ステークホルダーの行動に大きな影響を与えられるその分野の専門家のこと。かつては著名な先生や評論家などを指していた。最近では、ブログやSNSが消費者に大きな影響を与えるようになり、ブロガーと呼ばれる一般の人もインフルエンサーと認識され始めている。企業によっては、口コミ効果を狙い、通常のメディア向けの為、ブロガーを対象としたイベントなども実施している。

インベスターズ・ガイド(Investors Guide)

ファクトブック(Fact Book)とも言う。株主や機関投資家、証券アナリストなどに向けたコミュニケーションツール。経営方針や営業状況、財務情報などを客観的に紹介している。

オピニオン・リーダー(Opinion Leader)

学者や評論家、研究家など、世論や社会的価値判断に影響力を持つ人のこと。メディアのみならず、これらの人とのリレーション構築も重要。効果としてイベントでの一般消費者の集客力やメディアの誘致力の向上の他に、オピニオンリーダーから情報発信をしてもらうことで、情報に信憑性や付加価値をつけることが出来る。

オフレコ (Off The Record)

取材時などに、記事にはしないという前提で記者に話をすること。
しかし一般的には、オフレコは存在しないと考えた方が無難。下手な取材の場合、通常の質疑応答での話しが面白くなく(ニュース性なし)、オフレコで話した内容のみが記事かされるというケースがありうる。記者側から突然取材依頼が来た場合、自社の話ではなく、競合他社の情報や、オフレコ狙いのネタ集めをする場合も少なくはない。
敢えて競合他社の情報をオフレコとして流すという手法も無くは無いが、逆も十分ありうるので、記者と十二分の信頼関係が構築でき、十分な経験を積まれた方以外は、使わない方が無難である。

オンブズマン(Ombudsman)制度

オンブズマンとは、スウェーデン語を語源とする「仲裁者、代理人」といった意味。元は、いずれの党派や身分階級にも加わらず、中立的立場で冷静に問題を是正、解決(仲裁)する役割を果たす立場の人や委員会のことで、一般には、市民の権利と利益を守る代理人として行政の監視を行う任務を持つ職とされている。オンブズマン制度とは、まさしくそれら解決をはかる専門委員を制度化したもの。日本では国にはなく、川崎市など地方自治体で市民オンブズマン制度が発足しつつあり、行政施策、医療問題や、障害者の権利といった多岐領域でオンブズマン活動がなされつつある。

カスタマー・リレーションズ(Customer Relations)

企業の顧客(カスタマー)に対する広報活動のこと。この場合の企業とは主にメーカーや小売業等の企業であり、カスタマーとは株主や得意先や関連会社も含むが、大半は「消費者」のことをさす。自社製品やサービスをはじめとした企業の活動を、工場見学やPR誌を通じて直接的に理解を促す。

クオリティー・ペーパー(Quality Paper)

高級紙(質の高い新聞)のこと。タブロイド版に代表される大衆紙のようにスキャンダルやゴシップ記事を主観的かつセンセーショナルに取り上げるのではなく、政治・経済や国際問題などを客観的な論評を行った上で掲載する。米「ワシントン・ポスト」や「ニューヨーク・タイムズ」、仏「ル・モンド」、英「ザ・タイムズ」などが代表例。米国でも高級紙を購読しているのは少数派と言われているが、日本には高級紙自体存在しない、とされている。朝日、読売新聞は、国内では大手全国紙であるが、クオリティ面では高級紙と大衆紙の中間的位置づけといったところか。

クライシス・コミュニケーション(Crisis Communication)

危機管理広報とも言う。不測の事態に備えるためと、有事の際の広報対応の両者の意味がある。この有事の際の対応如何によっては、企業としての致命傷を負う事もあれば、逆に対応する姿勢がプラス評価につながることもある。
しかし有事の際にどう対応するかも重要であるが、日頃からの”風通し”を良くする事が危機管理広報の第一歩であり、最も大事なことのひとつと言える。現場からの情報吸い上げが遅いだけでも、周りからは「隠ぺい工作」と取られ兼ねない。

クリッピング(Clipping)

記事のクリッピング。メディアを知る。自社のメディアからの評価(掲載記事)を知る。競合他社を知ることができる広報活動の最も重要な業務のひとつ。最近ではキーワードを登録して自動的にFAX送信されるサービスや、PR会社任せという方も多いだろう。しかし、日々の地味な作業ではあるが、やはり広報活動の基本中の基本的な作業であり、目視での作業をお勧めする。そうすれば同じ記事でも記事の位置、大きさ、形、インパクトなど、クリッピングサービスでは得られない情報が得られるだけでなく、自社や業界に関する関連記事なども入手することができる。
情報入手も広報活動の重要な役割りである。

クレーマー(Claimer)

クレームとは、本来は、ある事実を「主張」したり、自分のものとしての権利を「要求」する意味(空港のバゲージ・クレームなど)で、日本語での「文句」や「苦情」という意味で使うのは、いわば和製英語。クレーマーとはまさしくクレームをつける人だが、日本では、企業などに対して執拗に「クレーム」をつける消費者をさす場合が多い。場合によっては1回のクレームでも、受け手にとってはすべてクレーマー扱いになる場合も。昨今では、企業の過剰な危機意識と、インターネットやEメールの普及によりクレームを入れることが簡便になったことなどが相まって増加傾向にある。新書「となりのクレーマー」もベストセラーになった。

コンプライアンス(Compliance)

法令尊守。当たり前のことではあるが、2001年の米エンロンの粉飾決算が公になり、破綻したあたりから注目を浴びてきた。日本でもカネボウやライブドアなど大手企業の粉飾決算が明るみになっている。
「広報は良く見せるためのもの」と勘違いをされている方も多いが、表面的に飾ったとしても長続きはしない。「よき企業市民」や「ステークホルダーとの良好な関係構築」などと綺麗な言葉が使われるが、企業の透明性と誠実な情報受発信活動を行うことが重要であり、そのためにも今一度、社内の情報流通の活性化に向け、再点検すべきである。

コーポレート・アイデンティティ(Corporate Identity)

企業の特徴や理念などを簡潔に表したもの。略してCIとも言う。企業のイメージや企業理念、ビジョン浸透のために、社名ロゴなどにして表現することなどを指す。企業のキャッチコピーやコーポレートカラーなどもその類。
CI戦略には、社内の一体感の醸成を目的としたMI(Mind Identiti)や視覚の統一を目的とした
VI(Visual Identitiy)などがある。

コーポレート・ガバナンス(Corporate Governance)

企業統治。企業の内部統制の仕組みや、不正行為を防止する機能のこと。要素としては下記などがある。
・経営の透明性、説明責任の重視徹底
・経営者の暴走阻止、会社ぐるみの違法行為の監視
・内部統制の確立(経営者、管理者の責任区分の明確化)

コーポレート・コミュニケーション

企業が企業として一般社会とコミュニケーションを図り、信頼関係を構築していくこと。企業のコミュニケーション手法には、コーポレートPR、商品PR、セールスプロモーションなどがあるが、それにマネジメントも含めた統合的なマーケティングコミュニケーションと捉えれれている。
1970年代に米国企業を中心に広がった。日本でも80年台後半から大手流通業を中心に組織名として取り入れ始めたようだ。

コーポレート・シチズンシップ

企業市民。企業だから特別、と言う考え方ではなく、一市民として地域に溶け込み、貢献しようという考え方。

コーポレート・ブランド(Corporate Brand)

企業価値の向上に寄与する無形の企業財産。人・モノ・金・情報に続く経営資源と認識されてきている。商品や企業への信頼感や競合他社との差別化などの存在感を与えるとされている。
ブランドの効果は必ずしもプラスとは限らず、不祥事などの有事の際の不手際などで直に幾らでも失墜し、その後も永く尾を引くケースもある。
「ブランドは1日にてならず」或いは「ブランドは金では買えず」であり、幾ら巨額資金を投入して広告宣伝してもブランド構築は出来ない。強固なブランド構築には、まず社員の意識改革から、出来ることからコツコツとやっていく必要があると言えよう。

スクープ(Scoop)

特ダネ。報道機関がライバル社を出し抜いて独占的に重大ニュースを報道すること。新聞社では内容により局長賞や社長賞として表彰されている。また各社の社長賞を持ち寄り、その中で新聞協会賞も選定している。報道記者にとっては大変名誉なこと。日々特ダネを獲ろうと取材に奔走している。
しかしそれ以上に記者がプレッシャーに感じているのは、その反対の「特落ち」だろう。他社に出し抜かれただけでなく、2社、3社に報道され、自社だけ報道できなかったというケースである。これを「特落ち」という。全く情報を入手していないケースは少ないだろうが、取材はしていても時期尚早と判断した、或いは詰め切れていなかったということも原因になる。この場合、人事異動になるケースもある。厳しい媒体では、特ダネを他社に抜かれたために地方支局へ転勤と言うケースもあった。記者はそれだけ日々神経をすり減らしながら取材しているということも、頭の片隅に入れておく必要がありそうだ。

ステークホルダー(Stakeholder)

利害関係者。企業経営上、重要な影響力をもつ第三者。顧客を含む取引先のみならず、従業員、株主、行政、地域社会などが該当する。ステークホルダーとの良好な信頼関係の構築は、広報も永続的な課題である。自社にとってのステークホルダーは誰か、またそれぞれのステークホルダーとのコミュニケーション状況を見直してみることも重要。

スポークスパーソン(Spokesperson)

報道機関に対して、会社を代表して重要な発表案件などの情報を提供する広報責任者のこと。社長、広報部長、広報担当重役などが該当。発表内容によっては、「誰が説明するのか」ということも、ニュース性として評価される。特に有事の際には重要な役割りを担うことになるため、日頃から危機管理体制の見直しやメディアトレーニングを受けるなどの準備が必要。

ティップ・オフ(Tip Off)

内部告発。企業(社員)や顧客に不利益なことが遂行された場合、また計画している場合に、その情報をマスコミに発信すること。企業不祥事の多くは、この内部告発によって発覚している。内部告発も企業の浄化機能のひとつであろうが、想像以上のダメージを被る場合が多く、できる限り社内の風通しを改善させ、未然に情報をキャッチし対策を取ることが必要。その場合でもステークホルダーに対する開示義務はあると認識すべきであろう。

ディスクロージャー(Disclosure)

情報開示。証券取引法に基づいた投資家保護のための情報開示制度。投資家は当然のことながらリスクは自己責任という前提で投資活動を行っているが、企業側から投資判断するに十分な情報開示がなされることが大前提となる。近年の日本では、キャッシュフロー計算書の開示や連結決算、四半期決算などの開示を義務付けてきている。
また公正、公平な情報開示が求められており、フェアディスクローズという言葉もある。

デスク(Desk)

新聞や雑誌での入稿責任者。同部門の現場記者の指揮をとり、上げられた取材記事等のチェック、掲載可否などの判断を行う。各部の次長クラスが担当することが多い。
企業担当の記者が、「記事はもう書きました」と言っていながら結局その記事が日の目を浴びないケースがある。これはデスクの判断で落とされた可能性もあり、記事が出ないからといって余り記者を突付きまわすのも避けた方が良い。記者自身も取材した記事は、当然出したいと思っている筈である。掲載が見送られるケースとしては、①他の記事を優先した ②その案件自体に余りニュース性がなかった ことが挙げられる。報道は時の運のため、前者は致し方ないが、後者については発信者側の問題もあるため、取材を受ける際には、十分な準備を行い掲載確率を上げていく必要がある。

デッドライン(Deadline)

新聞の締切時間のこと。朝刊であれば夜中の1:30位まで入稿することが出来る。但し、この時に触れるのは、1面記事位だろう。勿論それまでに他の記事を入れておき、間に合えば差し替えるという作業を行う。但し、新聞の締め切り時間は、媒体により異なる。日経などは1:30だが、日刊工業新聞では、私の経験上21:30〜22:00位で入った記憶がある。
また専門紙などは、自社で輪転機を持っていない場合が多く、その場合は他で印刷する関係上、締め切りが夕方などと非常に早い。
記者は日々この締切時間に追われている。そのため、記者から問い合わせがあった場合、回答期限を確認しておくことが重要。

ニュースリリース(News Release)

企業などからの発表案件を、各報道機関に知らせるための資料。発表案件をニュースリリースとして書き、報道各位に配布することで記事化を図ると言う最もポピュラーな広報活動の1つである。そのため、各記者には1日数十通のニュースリリースが届くため、その中から如何に読んでもらって書きたいと思わせるかが重要。そのためには、簡潔にまとめることが必要。基本的に発表する事実のみを伝えるのがニュースリリースであり、それだけで基本的な記事が書けるものでなければならない。

ニュースレター(News Letter)

事実を伝えるのがリリースであるが、ニュースレターには特に制約は無い。リリースの目的は記事化であるのに対し、ニュースレターはメディア等との良好なコミュニケーションを図るためのものという位置付け。発行した翌日に直に記事になることは無いが、今後の取材誘致に向けた種まきには充分なりうる。取引先などに配布しているケースもある。

パブリシティ(Publicity)

広告も含まれると解釈している方も多い様だが、それは間違いである。メディアに情報を開示して、第三者である記者がニュース性を感じ、記事として掲載されたものを純粋パブリシティ(純パブ)とも言う。この様な報道をしてもらう為の手法や行為を指す。

フリー・ペーパー(Free Paper)

無料で配布され、広告収入だけで成り立っている新聞。配布地域やターゲットを限定したものが多い。

ブラック・ジャーナリズム(Black Journalism)

弱みにつけ込むなどして不当な利益を得ようとするジャーナリズム活動。必要以上に広告掲載依頼をしてくるとか、購読を迫り、断ると批判的な記事を掲載したりする。逆に特定企業を褒め称えた記事を掲載し、これの買い取り要求などのパターンもある。取材は、ちょっとした電話でも成立してしまうので注意が必要。近年では大分減少傾向にあるが、取材依頼などがあった場合には、よく媒体や取材の趣旨などを確認しておく必要がある。

ブリーフィング(Briefing)

レクチャーのこと。記者会見といかないまでも、ターゲット媒体数社に対しリリース配布のみならず説明をする時などに使う。レク付などともいう。

ブログ(Weblog, Blog)

日記スタイルの簡易型ホームページ。ホームページは自由に情報発信ができる貴重な媒体のひとつである。これまでホームページはhtml形式で作られていたが、誰もが簡単に作成、運営ができるものではなかった。しかし昨今のブログの登場によりこれが可能になり、老若男女問わずに情報発信がなされる様になった。今ではブロガーも重要なターゲッターとして認識されるようになってきたが、中には誹謗中傷を積極的に発信している輩もおり、プラス効果だけではなさそうだ。

ブロック紙(Block Paper)

北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞のこと。一般紙の中で全国をカバーしているのが、5大紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)と言い、主に各都道府県などの地域に根ざした媒体を地方紙と区別している。ブロック紙は、北海道や中部地方、九州地方などカバーする地域が広く発行部数も多い地方紙と全国紙の中間的な役割りの媒体。

プレスキット(Press Kit)

 ニュースリリースなどを補足するための関連資料一式。記者会見などの際、発表するリリースだけではなく、参考となる資料や会社案内などをつける場合が多い。これにより、正確な情報を提供する事ができ、また記事の幅を広げられる。

プレスランチョン(Press Luncheon)

ランチタイムを利用したメディアリレーションズの1つ。記者発表ならいつでも呼べる(ニュース性による)が、親睦を深めたい、相互理解を深めたいだけでは記者は呼べない。しかし記者も人の子であり、昼食はとる。その時間を利用して行う。記者側にも社長を始めとする経営幹部に一度に会えるというメリットもある。但し、記者が興味を持っていなければ実現は出来ず、事前準備が必要である。

プレス・リレーションズ(Press Relations)

メディアリレーションズとも言う。メディアに有益な報道をしてもらうために、相互理解を深め信頼関係を構築する行為。その為の手法はさまざまであり、リリースやニュースレターの配布、個別レクチャー、記者会見、懇親会、デイリーでの電話対応、プレスツアーなど、広報活動の殆どの業務が当てはまる。

プレス・ルーム(Press Room)

企業内に設けられた記者対応用の部屋。記者が常駐しているケースもあるようだが、一般的には記者が自由に来てその企業の情報を得られるようにしている。

ペイド・パブリシティ(Paid Publicity)

記事体広告。文字通り、記事の体裁をした広告であり、新聞や雑誌などの枠を購入し、そこに記事風の広告を出すこと。

マスコミサーベイ(Mass Communication Survey)

メディアオーディットともいう。メディアに対する企業認識調査、広報活動に対する評価などを調査する。実名を挙げて調査するケースもあれば、覆面で複数社のことを調査する場合もある。記者は日頃取材をする事には何も抵抗は感じていないが、逆に取材を受けると言うことには非常に抵抗を感じているケースが多く、畏まった回答が多い。より生の声を聞く為には、PR会社などの第三者に依頼した方が信憑性のある回答が得られそうだ。

メディアトレーニング(Media Training)

企業のトップや役員など、取材対応する人向けのトレーニング。より効果的な取材対応を目指す場合と、実際に特定の発表案件を題材にしたシュミレーションなども行う。単に説明を行う練習だけでなく、記者役との質疑応答なども行う。社内でも出来ないことは無いが、実際に社長などに対して的確な指摘がし辛いこおともあり、ノウハウもあるPR会社を使うことが効果的といえよう。

ユニバーシティPR(University PR)

一般的に企業には、商品の認知度を高め、売り上げを伸ばす為に行う「商品PR」と、企業自体の取り組みやメッセージなどを伝えることで企業価値の向上を図る「コーポレートPR」がある。

一方、大学で広報活動というと受験生の獲得の為の「入試広報」がメインであり、ユニバーシティPR(企業で言うところのコーポレートPR)については、広告活動は盛んであるが、純粋なパブリシティ活動は極めて限定的である。

全入時代突入の昨今、自学のメッセージや特長の訴求、他校との差別化など、広告のみならずパブリシティ活動で記事として発信していくことが、大学業界の大きな課題の1つと言えよう。


リスク・マネジメント(Risk Management)

不測の事態を未然に防ぐ、有事の際に損害を最小限にとどめる為の経営手法の一つ。広報的にも不祥事などの場合に使われる。有事は些細な誤字脱字などのケアレスミスなどからも起こりうることであり、日頃から潜在するリスク要因を潰しておく必要がある。

リーク(Leak)

広報的な重要案件を、ニュースリリースの一斉配布などの様に、公平公正に幅広くメディアに発信するのではなく、特定のメディアだけに情報を流す行為。メリットとしては、一斉配布するよりもニュース性が上がる。即ち、記事の分量も増え、○○面トップなどの位置的にも効果がある。また記者会見などと違い、1対1でレクチャーができる為、正確な情報を提供できる。加えて、記者側からすると「特ダネ」のため、好意的に書かれるケースが多い。
デメリットは、案件にもよるが他の媒体が扱わない。日頃付き合いのある媒体の競合社から反感を買う。フェアディスクローズの考えに反する(東証などから確認が入ることもある)。などが挙げられる。
これらを回避する為にも、発信者側からのリークと感じられないように、あくまでも担当記者の特ダネであるという見せ方が必要。情報提供の量や時期などは充分に検討した上で行うべきである。
またよく勘違いされているケースとして、1社に情報提供を行ったからリークになる。つまり記事掲載がなされる訳ではない。よく当該案件のニュース性を検証し、どの様な発信方法が適切なのか充分な検討が必要。

修正報道

 誤報を事後に、「訂正」や「お詫び」などのコーナーではなく、関連記事などの中で、過去の報道を修正する報道手法。

報道記事分析

広報の効果測定の手法。報道された記事などを定量・定性分析し、論調傾向の把握や広告換算の算出、競合他社との比較などを行う。
一般的には掲載された記事を広告換算することで広報の効果としている場合が多い。広告に比べ記事はスペースが小さいものの、第三者である記者が書いていることから信憑性が高いなどと、広告換算値の3倍などの係数をかけるべきだと言う考え方もある。しかし定説には至っていない。掲載された記事の経済効果値を精密に出すことよりも、対昨年比や対競合比など比較論を追及し、より効果を出す為の指標とすることが望ましい。

広聴機能

 日々の事業活動や、経営方針などに公衆がどの様に感じているのかの意見を収集し、それを経営に反映させること。広報=発信活動と捉えている方も多いだろうが、メディアも含め周りからどの様に感じられているかという情報を掴むことも重要であり、社外のみならず社員も対象。

記者クラブ

各省庁や都道府県、団体などに置かれた記者の詰め所。資料投函の為のボックスのみのケースもある。記者クラブは関係する各媒体記者が集まっているため、効率良く記者発表等が行える。クラブによっては発表会場(部屋)を備えているケースもあり、そこを使えれば発表時にわざわざ外部の会場を取る必要は無い。クラブでの発表は、月毎に変わる各幹事会社を通じて申し込む。この申込も発表の48時間前など、クラブによりさまざまなルールがあり、事前に確認が必要。
記者クラブは、関係する記者を集められるメリットがあるが、そのクラブに所属していない記者は入れないため、クラブ加盟記者以外も集めたい場合は、外部に発表会場を抑える必要がある。
またクラブは、1業界に1つとは限らず、5大紙や通信社、TV局などが加盟するクラブと、専門紙誌のみのクラブとに分かれているケースもあり、事前に確認しておく必要がある。

記者会見(Press Meeting)

提携や買収、新規事業(商品)戦略など、発信者側にとって、または業界や社会にとっても影響力のある案件の場合、リリース配布のみならず、記者を一同に介して説明会を行う。記者を集めるというのは非常に負荷が掛かることであるが、リリース配布のみと違い、口頭での説明に加え、質疑応答を行うことで、より正確な情報伝達が可能となる。
会見を行うか否かは、ニュース性を十分検証した上で判断することが必要。

記者懇談会

企業のトップや幹部が、記者に対しより自社への理解を促すことと親睦を深めることを目的とした情報交換会。広報=情報発信と捉えている方も多いが、受信活動も重要な役割りであり、記者から情報入手することも重要である。
但し、特に話す内容が無いというケースでは実施すべきではない。懇談会は、記者側にも普段仕入れられない情報の入手などのメリットもあるが、基本的に記者は記事を書きたい為に来るのあって、それに相応しい情報がなければ1度参加しても次に来ることはない。場所や食事などよりは、話せる内容に一番配慮すべきである。

記者発表(Press Announcement)

メディアに対する発表の手法は、①ニュースリリースの一斉配布 ②数社へのレクチャー付き ③1社へレクチャー ④記者会見 などあり、場合によってはタイミングをずらしてこれらを複合的に活用するなどさまざまなである。これら発表方法の選択により、掲載の確度も変わってくるため、十分なニュース性検証の上に、発信方法を選択しなければならない。
発信方法は、発信案件都度、選択する。出来るだけ多くのメディアに届けたいとの思いから、一斉配布だけ行っていてもなかなか記事にはつながらないケースが多い。発信都度、手法を検討することが必要。

誤報

事実とは異なることが報道されてしまうこと。誤字脱字も含む。誤報には主に2つの原因がある。ひとつは記者の純粋な間違い、認識違い(稀に敢えて書くケースもある)。もうひとつは、発信者側の間違いである。何れにせよ、誤報の大きな要因は、コミュニケーション不足によることが多い。誤報で得する人はおらず、できる限りコミュニケーションを密にとり、誤報をさせない努力、配慮が必要。例)口頭で伝えずに、紙で渡すなどまた誤報の際、重要な誤り、影響の大きな場合は、訂正を報道機関に求めることは必要。しかし余り小さなことまでネチネチとクレームをつけるのは得策ではない。誤報のニュース性、影響力などをよく精査した上で、どう対応するか検討する必要がある。但し、今後のこともあるので、正確な情報を認識してもらう必要はある。

黒板協定

 提携や合併など大きな発表案件を控えていると、各媒体記者は取材合戦に注力するが、発表者側が記者クラブに記者発表を申し入れた時点で、その件に関する報道は、発表時点までしてはならないという記者クラブでの紳士協定。記者クラブの幹事会社が、発表の申し入れを受理した段階で、その内容をクラブの黒板に掲載することから黒板協定と呼ばれている。